“せんせん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
閃々46.7%
潺々16.7%
戦線8.3%
先占6.7%
繊々6.7%
先尖1.7%
冉々1.7%
孱々1.7%
専擅1.7%
尖々1.7%
(他:4)6.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
盗あり、戸を破りて入りきたり、秋水閃々せんせん、大いに目をいからし、予に向かいて曰く、「金を渡せ、金を渡せ」と。
妖怪報告 (新字新仮名) / 井上円了(著)
見れば、薙刀なぎなたやり長柄ながえなどの光が、閃々せんせんと、坪向うのひさしの下を表のほうへ駈け急いでいた。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
水田は氷川の森のふもとより伝通院でんずういん兆域のほとりに連り一流の細水潺々せんせんとしてその間を貫きたり。
礫川徜徉記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
音のない水が、細く、その葉の下、草の中を流れている。それが、潺々せんせんとしていわむせんで泣く谿河たにがわよりもさみしかった。
七宝の柱 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
戦線せんせん銃後じゅうごわず、こころを一つにして、ともにくるしみ、相助あいたす
村へ帰った傷兵 (新字新仮名) / 小川未明(著)
きずがなおったら、はや戦線せんせんかえろう。」
少女と老兵士 (新字新仮名) / 小川未明(著)
従って、国際法でいう先占せんせんの事実というやつが、パラグァイ、アルゼンチンのどっちにもない訳である。
人外魔境:05 水棲人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
先占せんせんをしなさい、全隊が銃を捨てて探検隊となり、『蕨の切り株』に踏みいって、パラグァイ旗を立てれば——と言ったら、俺はひどく怒られた。
人外魔境:05 水棲人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
その間に繊々せんせんとしてかかる新月の美しさ。そうして、微かなるその新月の光に向いた山の峰が、涙の露を糸に引いたようなカーヴをかけているいじらしさ。
大菩薩峠:27 鈴慕の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
琵琶湖の対岸の山々、雪は白し比良ヶ岳の一角から、法燈の明るい比叡の山あたりの連脈と見ておけばよろしい、その上の空へ繊々せんせんたる新月がかかりました。
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
私はただ近づいて来る機械の鋭い先尖せんせんがじりじり私を狙っているのを感じるだけだ。
機械 (新字新仮名) / 横光利一(著)
彼が宮を追ひてまろび落ちたりし谷間の深さは、まさにこの天辺てつぺんの高きより投じたらんやうに、冉々せんせんとして虚空を舞下まひくだ危惧きぐ堪難たへがたかりしを想へるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
隣に養へる薔薇ばらはげしくんじて、と座にる風の、この読尽よみつくされし長きふみの上に落つると見れば、紙は冉々せんせんと舞延びて貫一の身をめぐり、なほをどらんとするを、彼はしづかに敷据ゑて、そのひざものうげなる面杖つらづゑきたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
生人となり孱々せんせんたる小丈夫のみ。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
たとい嫁の血族に精神病の系統のあることが後に公判廷で立証されたにしても、姑の不法な言いがかりが専擅せんせん苛酷な夫婦の離別に及ばなかったならなおこの逆上はしなかったであろう。
姑と嫁について (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
抜身の槍の穂先が、尖々せんせんと月光にかがやいている。刀の白刃が、さやの中で戞々かつかつと走っている。五人十本の腕が、むずむずと手ぐすねで鳴っている。
戰線せんせんのことは部下任ぶかまかせにしていて
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
実際無類絶好の奇宝であり、そして一見した者と一見もせぬ者とに論なく、衆口嘖〻しゅうこうさくさくとしていい伝え聞伝えて羨涎せんせんを垂れるところのものであった。
骨董 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
お涌と島谷との結婚は、近来なんとなく健康のすぐれぬお涌自身の返事が煮え切らず、躚々せんせんとして時期も定まらぬままに過ぎて行くうち、島谷は他の縁談に方向を求め、極めて事務的な結婚をして仕舞しまつた。
蝙蝠 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
おしひらイテ進メバすなわち白雲ノ坌湧ふんようスルガ如ク、ようトシテ際涯ヲ見ズ。低回スルコトしばらクニシテ肌骨皆香シク、人ヲシテ蒼仙ニ化セシメントス。既ニシテタ陽林梢ニアリ、落霞飛鳧らっかひふ、垂柳疎松ノ間ニ閃閃せんせんタリ。
向嶋 (新字新仮名) / 永井荷風(著)