先占せんせん)” の例文
先占せんせんをしなさい、全隊が銃を捨てて探検隊となり、『蕨の切り株』に踏みいって、パラグァイ旗を立てれば——と言ったら、俺はひどく怒られた。
人外魔境:05 水棲人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
雀も決して住居の方に、鶏見たように呑気のんきでないことは、早く巣作るものが形勝けいしょうと安全とを先占せんせんし、よっぽど遅くなってから、巣箱の店借たながりに来るのでも察せられる。
いさゝかにても國家こつか支配權しはいけん完全くわんぜんおよんでらぬとるときは最早もはや國際法こくさいほふ原則げんそくなにもあつたものでい、つてもらぬかほに、先占せんせんひとてたるはたをば押倒おしたをして、自國じこく國旗こくきひるがへ
「どうだい、僕が魔境中の魔境といったのも、ハッタリじゃあるまい。それに、この探検にはひじょうな意義がある。じつは、国際法の先占せんせん問題にも触れている」
人外魔境:08 遊魂境 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
従って、国際法でいう先占せんせんの事実というやつが、パラグァイ、アルゼンチンのどっちにもない訳である。日本人が、フランス人よりも先に新南群島を占めたため、いまは日本の領有となっている。
人外魔境:05 水棲人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)