“ひらひら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
飜々53.3%
翻々20.0%
片々6.7%
翩々6.7%
閃々6.7%
飄々6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
出島でじまに近い船繋場ふなつきばには、和船に混って黒塗三本マスト阿蘭陀オランダ船や、ともの上った寧波ニンパオ船が幾艘となく碇泊し、赤白青の阿蘭陀オランダの国旗や黄龍旗こうりゅうき飜々ひらひらと微風になびいている。
北の方の空は青くすんでいる。遠くに連っている町の頭が犇々ひしひしかさなって固っている。ぎらぎらとするのは瓦家根かわらやねが多いからであろう。翻々ひらひらと赤い旗も見える。長い竿の先に白い旗のひるがえるのも見える。
暗い空 (新字新仮名) / 小川未明(著)
と金袋の口を開いて、黄金の片々ひらひらを彼等の頭上に霰と降らすのであつた。そして私達が加害者の襟首をつかまへて
武者窓日記 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
自分の隣に坐っていたお重が「大兄さんの時より淋しいのね」と私語ささやいた。その時はしょうや太鼓を入れて、巫女の左右に入れう姿もちょうのように翩々ひらひら華麗はなやかに見えた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
同じほどの火影の又うつろふと見れば、早くも薄れ行きて、こたびは燃えも揚らず、消えも遣らで、少時しばしあかりを保ちたりしが、風のわづかの絶間をぬすみて、閃々ひらひら納屋なやの板戸を伝ひ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
物を言う時には絶えず首をうごかす、其度にリボンが飄々ひらひらと一緒にうごく。時々は手真似もする。今朝った束髪がもう大分乱れて、後毛おくれげが頬をでるのを蒼蠅うるさそうに掻上かきあげる手附もい。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)