“きれぎれ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
断々39.4%
切々24.2%
断続12.1%
片々12.1%
断片的6.1%
切断3.0%
斷々3.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ただ香のけむりが断々きれぎれとしてのぼっていることによって、お角はまたあのお墓へ誰かおまいりに来たなと思っただけでした。
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
二昔も程遠き今日からふりかえって考えてみると夢のような取り止めも付かぬ切々きれぎれが、かすかな記憶の糸につながれて、廻り燈籠のように出て来るばかりで。
(新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
というような文句が断続きれぎれに聞えます。
大菩薩峠:08 白根山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
片々きれぎれに口にするところから推測してみると、とっくに切れてしまったはずのクルベーが、新橋の一芸者を手懐てなずけたとか、遊んでいるとかいうようにも聞こえたし、寄越よこすはずの金を
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
然しこのまずしい小さな野の村では、昔から盆踊ぼんおどりと云うものを知らぬ。一年中で一番好い水々みずみずしい大きな月があがっても、其れは断片的きれぎれに若者の歌をそそるばかりである。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
真紅な火は裏山の空に燃えあがって、その焔が風に吹かるる秋雲のように西に東に切断きれぎれに飛んだ。
不動像の行方 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
そして考へる事も考へる事も、すぐに傍へれて了ツて、斷々きれぎれになり、紛糾こぐらかり、揚句あげくに何を考へるはずだツたのか其すらも解らなくなツて了ふ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)