“断片的”のいろいろな読み方と例文
旧字：斷片的
読み方割合
きれぎれ66.7%
だんぺんてき33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
渡邊の耳元へ低声（こごえ）で咡（ささや）いておいて、自分独りで二階へあがっていった、軈て低い春日の声に混って、主人（あるじ）の太い声が断片的（きれぎれ）に洩れて聞えてくる。
誘拐者 (新字新仮名) ／ 山下利三郎(著)
然し斯（この）貧（まず）しい小さな野の村では、昔から盆踊（ぼんおど）りと云うものを知らぬ。一年中で一番好い水々（みずみず）しい大きな月が上（あが）っても、其れは断片的（きれぎれ）に若者の歌を嗾（そそ）るばかりである。
みみずのたはこと (新字新仮名) ／ 徳冨健次郎、徳冨蘆花(著)
青山敬太郎は大河ほど雄弁（ゆうべん）な口はきかなかった。かれはむしろ沈黙（ちんもく）がちであり、ごくまれに断片的（だんぺんてき）な意見を発表するにすぎなかった。
次郎物語：05 第五部 (新字新仮名) ／ 下村湖人(著)