断続きれぎれ)” の例文
旧字:斷續
黄昏たそがれちかき野山は夕靄ゆうもやにかくれて次第にほのくらく蒼黒く、何処いずくよりとも知れぬかわずの声断続きれぎれに聞えて、さびしき墓地の春のゆうぐれ、いとど静に寂しく暮れてゆく。
父の墓 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
というような文句が断続きれぎれに聞えます。
大菩薩峠:08 白根山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
香る、美くしき言葉も断続きれぎれに……
晶子詩篇全集拾遺 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
ましとざされたるいえの内は殆ど真の闇であったが、彼はあやうくも吹き倒されんとする雪風ゆきかぜしのぐ為に、かくも一歩踏み込もうとする途端に、内には怪しい唸声うなりごえ断続きれぎれに聞えた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)