“かたかた”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
片々52.4%
片方19.0%
片片9.5%
一方4.8%
他方4.8%
4.8%
4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
学士は病人のひじをつかまえた。そうすると女が、いつものように肘にすがると見せて、片々かたかたの肘をつかまえた。
みれん (新字新仮名) / アルツール・シュニッツレル(著)
「それも、わたしの知ったことではない、お前さんたちは、あれほど固く結びついていながら、いまさら片方かたかたの行方を人に問うなどとは、あんまり虫がよすぎる」
一つは三千代と自分が是から流れて行くべき方向を示してゐた。一つは平岡と自分を是非共一所にき込むべきすさまじいものであつた。代助は此間このあひだ三千代につたなりで、片片かたかたの方は捨てゝある。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ゆえ一方かたかたの心が歓ぶ時には他方かたかたの心も共に歓び、一方かたかたの心が悲しむ時には他方かたかたの心も共に悲しみ、一方かたかたの心が楽しむ時には他方かたかたの心も共に楽み、一方かたかたの心が苦しむ時には他方かたかたの心も共に苦しみ
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
ゆえ一方かたかたの心が歓ぶ時には他方かたかたの心も共に歓び、一方かたかたの心が悲しむ時には他方かたかたの心も共に悲しみ、一方かたかたの心が楽しむ時には他方かたかたの心も共に楽み、一方かたかたの心が苦しむ時には他方かたかたの心も共に苦しみ
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
例のゆがめる口をすぼめて内儀は空々そらぞらしく笑ひしが、たちまち彼の羽織のひもかたかたちぎれたるを見尤みとがめて、かんの失せたりと知るより、あわて驚きて起たんとせり、如何いかにとなればその環は純金製のものなればなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
かつらたるやうにくしけづりたりし彼の髪は棕櫚箒しゆろぼうきの如く乱れて、かんかたかたげたる羽織のひもは、手長猿てながざるの月をとらへんとするかたちして揺曳ぶらぶらさがれり。主は見るよりさもあわてたる顔して
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)