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忍返
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しのびがえ
ふりがな文庫
“
忍返
(
しのびがえ
)” の例文
この後者の仲間の中に一際目立って、ニューゲートの
忍返
(
しのびがえ
)
しを打ってある塀の一小片が生きて来たように、ジェリーが立っていた。
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
それは鉄の
螺釘
(
ねじくぎ
)
を方々に打ちつけて、上にはぎざぎざの鉄の
忍返
(
しのびがえ
)
しを打ってあった。なんという深い
畏怖
(
いふ
)
の感じを、それは起させたことであろう!
ウィリアム・ウィルスン
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
杉の茂りの
後
(
うしろ
)
は
忍返
(
しのびがえ
)
しをつけた
黒板塀
(
くろいたべい
)
で、外なる一方は
人通
(
ひとどおり
)
のない
金剛寺坂上
(
こんごうじさかうえ
)
の往来、一方はその
中
(
うち
)
取払いになって
呉
(
く
)
れればと、父が絶えず憎んで居る
貧民窟
(
ひんみんくつ
)
である。
狐
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
法廷の出口もその方向にあったので、ジェリーは体中を眼にし、耳にし、
忍返
(
しのびがえ
)
しにしながら、その後について行った。
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
片側
(
かたかわ
)
に朝日がさし込んでいるので路地の
内
(
うち
)
は突当りまで
見透
(
みとお
)
された。
格子戸
(
こうしど
)
づくりの
小
(
ちいさ
)
い
家
(
うち
)
ばかりでない。昼間見ると意外に屋根の高い倉もある。
忍返
(
しのびがえ
)
しをつけた
板塀
(
いたべい
)
もある。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
例の
忍返
(
しのびがえ
)
しを打ちつけたような髪の毛で
敷布
(
シーツ
)
をずたずたに裂きそうにしながら、蒲団の上へぬっと起き上った。
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
その家屋も
格子戸
(
こうしど
)
欞子窓
(
れんじまど
)
忍返
(
しのびがえ
)
し竹の
濡縁
(
ぬれえん
)
船板
(
ふないた
)
の
塀
(
へい
)
なぞ、
数寄
(
すき
)
を
極
(
きわ
)
めしその
小庭
(
こにわ
)
と共にまた
然
(
しか
)
り。これ美術の価値以外江戸末期の浮世絵も余に取りては容易に捨つること能はざる
所以
(
ゆえん
)
なり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
川添いの町の路地は折々
忍返
(
しのびがえ
)
しをつけたその出口から遥に
河岸通
(
かしどおり
)
のみならず、併せて橋の欄干や過行く荷船の帆の一部分を望み得させる事がある。かくの如き光景はけだし逸品中の逸品である。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
水門
(
すいもん
)
の
忍返
(
しのびがえ
)
しから
老木
(
おいき
)
の松が水の上に枝を
延
(
のば
)
した庭構え、
燈影
(
ほかげ
)
しずかな料理屋の二階から
芸者
(
げいしゃ
)
の歌う
唄
(
うた
)
が聞える。月が出る。倉庫の屋根のかげになって、片側は
真暗
(
まっくら
)
な
河岸縁
(
かしぶち
)
を
新内
(
しんない
)
のながしが通る。
深川の唄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
忍
常用漢字
中学
部首:⼼
7画
返
常用漢字
小3
部首:⾡
7画
“忍”で始まる語句
忍
忍耐
忍辱
忍冬
忍術
忍坂
忍足
忍草
忍入
忍川