“河岸縁”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かしぶち44.4%
かしっぷち22.2%
かしっぶち11.1%
かしつぷち11.1%
かしべり11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そしてそこの河岸縁かしぶちで眼前に描き出す彼女の姿は、図書館の中に落ちてる光の角壔だった。ただ、太陽の光のではなく、一種の燐光の……。
溺るるもの (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
瓢屋のじょちゅうは川獺の悪戯いたずらをする晩を知っていて、お座敷が終って歌妓達が近くもあるし、川風に吹かれて逢引橋の袂から河岸縁かしっぷちを帰ろうとすると
築地の川獺 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
この辺は河岸縁かしっぶち三日月長屋みかづきながやも同然滅多めった素通すどおりの出来る処じゃないんだが、今日はこうして安閑と煙草がんでいられるたア何だか拍子ぬけがしてきつねにでもつままれたようだ。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
赤とんぼのスイスイと飛ぶ河岸縁かしつぷちを、襁褓おしめ臭い裏通りを、足早に深川へと廻りながら、平次の話は續くのです。
ただ一つの街灯の光が、向うの河岸縁かしべりあかく染めているだけだ。
地虫 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)