河岸縁かしっぷち)” の例文
瓢屋のじょちゅうは川獺の悪戯いたずらをする晩を知っていて、お座敷が終って歌妓達が近くもあるし、川風に吹かれて逢引橋の袂から河岸縁かしっぷちを帰ろうとすると
築地の川獺 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
河岸縁かしっぷちかにと喧嘩したり、子供の喧嘩を仲裁したり、どぶに落ちたトラックを抱え上げてやったりしているうちに或日の事、大学校の構内へ迷い込んだ。
超人鬚野博士 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
聞かずに河岸縁かしっぷちの方でも往こうものならきっと怪しいことにったので、歌妓げいしゃ達は姉さんのことばに従って、そんな晩にはあともどりであるけれども、築地橋の方に往き、それから今の電車通りを曲って
築地の川獺 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)