“いわく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
81.8%
9.1%
原因3.0%
所以3.0%
3.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
(短刀をお抜き、さあ、お殺し、殺しように註文がある。切っちゃ不可いけない、十の字を二つ両方へ艸冠くさかんむりとやらにいわくをかいて。)
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ただ文中に所々しょしょ考証をしるすに当って抽斎いわくとしてあるだけである。そしてわたくしの度々見た「弘前医官渋江うじ蔵書記」の朱印がこの写本にもある。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
そこには、何かしら相当の原因いわくがあるはず。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
出したいから出した迄だ、別に所以いわくのある筈は無え。親が己れの阿魔を、救主に奉ろうが、ユダに嫁にやろうが、お前っちの世話には相成ら無え。些度物には理解わかりを附けねえ。
かんかん虫 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
当代、泰文ほど人に憎まれた男もすくないが、ただの一度も刀杖とうじょうの厄を受けず、思うぞんぶんに放埒な所業をつづけられたのは、そのへんにいわくがあるとみていい。
無月物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)