そう)” の例文
が、下には孫立が、一そうを構えて待ちうけていたから、朝奉はいよいよ逃げ戸惑い、ついに女曲輪おんなぐるわの境まで走ッてそこの深い石井戸へ身を投げてしまった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
青粘土あおねんどみたいに沈んでいるが、まなこは鯉の金瞳きんどうのごとく、黒漆こくしつのアゴひげをそよがせ、身のたけすぐれ、よく強弓をひき、つねに持つ緋房ひぶさかざりの一そうも伊達ではないと、城内はおろか
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とばかり手の一そうさかにかざし、ドボンと投げ突きに井戸底の物を突き殺した。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)