其様そう)” の例文
旧字:其樣
エ、何、其様そうでもありませんが。——一人ひとり困ったやつが居ましてな。よく強淫をやりァがるんです。成る可く身分の好い人のかみさんだの娘だのをいくんです。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「いいのよ、其様そうしてお置きなさいよ、源ちゃん最早もうお寝み、」と客の少女は床なる九歳ここのつばかりの少年を見て座わり乍ら言って、其のにこやかな顔に笑味を湛えた。
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
其様そうだ其様だ、いつは土産だ。一つ聞きたいな」などとやかましく言うのを聞かぬ風で一同に顔見られるのを五月蠅うるさそうにお光は顔をそむけて漕ぎながら、時々見るともなく眼をそばだてて見ると
漁師の娘 (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
また其様そう妻に云ったことも一度や二度じゃありません。けれども妻は其度に腹を立てます。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)