“伝播”のいろいろな読み方と例文
旧字:傳播
読み方(ふりがな)割合
でんぱ92.9%
でんぱん2.9%
ひろま2.9%
ひろが1.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
水素に少し空気がまじったり、逆に空気中に水素が少量混入した時に、爆発がどのような形をとって伝播でんぱするかを見ようというのであった。
大道蓄音機が文化の福音を片田舎に広めた事は疑いもないが、同時にあの耳にはさむ管の端が耳の病気を伝播でんぱさせはしなかったかと心配する。
蓄音機 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
それから、団結的思想の力強い熱狂と戦争の息吹いぶきとを、民衆のうちに伝播でんぱしてる精神的伝染病に、自分も感染してるのが感ぜられた。
後にはエーテルと称する仮想物質の弾性波と考えられ、マクスウェルに到ってはこれをエーテル中の電磁的ひずみの波状伝播でんぱと考えられるに到った。
物質とエネルギー (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
奇妙にポチを呪咀じゅそし、ある夜、私の寝巻に犬ののみ伝播でんぱされてあることを発見するに及んで、ついにそれまで堪えに堪えてきた怒りが爆発し
最初妹からつけられて、たちまち家族のうちに伝播でんぱんしたこの悪口わるくちは、近頃彼女自身によって平気に使用されていた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
いま迄、兎や犬や羊の心臓を切り出すことに馴れて居た僕も、たとい死体であるとはいえ、その女の蝋のように冷たくかつ白い皮膚に手を触れてメスをあてた時は、一種異様の戦慄が、指先の神経から全身の神経に伝播でんぱんした。
恋愛曲線 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
なお少し堂の広くもあれかしなんど独語つぶやかれしが根となりて、道徳高き上人の新たに規模を大きゅうして寺を建てんと云いたまうぞと、このこと八方に伝播ひろまれば
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
道徳高き上人の新に規模を大うして寺を建てんと云ひ玉ふぞと、此事八方に伝播ひろまれば、中には徒弟の怜悧りこうなるが自ら奮つて四方に馳せ感応寺建立に寄附を勧めてあるくもあり
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
西乃入に葬られた老牧夫のうはさは、直に根津の村中へ伝播ひろがつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
ほかの事で君を呼んだのでは無いが、実は近頃世間に妙な風評が立つて——定めし其はもう君も御承知のことだらうけれど——彼様あゝして町の人がかく言ふものを、黙つて見ても居られないし、第一ういふことが余り世間へ伝播ひろがると、しまひには奈何どんな結果を来すかも知れない。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)