伝播でんぱん)” の例文
旧字:傳播
その女の蝋のように冷たくかつ白い皮膚に手を触れてメスをあてた時は、一種異様の戦慄が、指先の神経から全身の神経に伝播でんぱんした。
恋愛曲線 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
最初妹からつけられて、たちまち家族のうちに伝播でんぱんしたこの悪口わるくちは、近頃彼女自身によって平気に使用されていた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)