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総
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あら
ふりがな文庫
“
総
(
あら
)” の例文
旧字:
總
総
(
あら
)
ゆるものを焼き、総ゆるものを灰にするような、令嬢に対する私の愛情は、博士に対する恐怖感をさえ乗越えて行った。
三稜鏡:(笠松博士の奇怪な外科手術)
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
彼はその一個の意志で、
総
(
あら
)
ゆる心の暗さを明るさに感覚しようと努力し始めた。もう彼にとって、長い間の虚無は、一睡の夢のように吹き飛んだ。
花園の思想
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
この愛魚家は当時において、ほとんど
狂想
(
きょうそう
)
にも等しい、金魚の
総
(
あら
)
ゆる種類の長所を
選
(
よ
)
り
蒐
(
あつ
)
めた理想の新魚を創成しようと、大掛りな設備で取りかかった。
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
で、職業としての目的を達し得た点に
於
(
おい
)
て、
総
(
あら
)
ゆる職業は平等で、優劣なぞのある道理はない。
然
(
そ
)
う云う意味で言えば。車夫も大工も同じく優劣はない訳である。
文芸は男子一生の事業とするに足らざる乎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
職員は待遇が差別されていて幾分か増額されているけれども男子労務者と婦人労務者との間にある殆ど二対一のひらきは
総
(
あら
)
ゆる生産場面の男女差別待遇としてあらわれている。
今日の日本の文化問題
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
▼ もっと見る
かれが
蒐集
(
しゅうしゅう
)
したところの
総
(
あら
)
ゆる婦人雑誌や活動写真の絵葉書、ことに
忌
(
いま
)
わしげな桃色をした紙の種類、それからタオルや石鹸や石鹸入れなどが、みんな押入れのなかに
収
(
しま
)
われてあった。
幻影の都市
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
総
(
あら
)
ゆる人種からなる、十三万人の観衆に包まれた
開会式
(
オオプニングセレモニイ
)
は、南カルホルニアの晴れ
渡
(
わた
)
った
群青
(
ぐんじょう
)
の空に、数百羽の
白鳩
(
しろばと
)
をはなち、その白い
影
(
かげ
)
が点々と、
碧玻璃
(
へきはり
)
のような空に消えて行く
頃
(
ころ
)
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
「無論、
総
(
あら
)
ゆる事が原始に復らんきア駄目だ。」と叫んだ。
茗荷畠
(新字旧仮名)
/
真山青果
(著)
………………
総
(
あら
)
ゆる罪悪一に皇帝の名を仮りて弁疎……
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
総
(
あら
)
ゆるものの、醜悪と腐敗の燐光を放つてゐる。
小熊秀雄全集-02:詩集(1)初期詩篇
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
しかも、それは、文学に於けるいかなる分野が、素質が、属性が、
総
(
あら
)
ゆる文学の方向から共通に考察されねばならないか。これがわれわれの新しい問題となるべきであろう。
新感覚派とコンミニズム文学
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
世の中に存在する所の
総
(
あら
)
ゆる職業は、其職業に依って、其職業の
主
(
ぬし
)
が食って行かれると云うことを証明して居る。
即
(
すなわ
)
ち、食って行かれないものなら、それは職業として存在し得られない。
文芸は男子一生の事業とするに足らざる乎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ナポレオンの田虫は
頑癬
(
がんせん
)
の一種であった。それは
総
(
あら
)
ゆる皮膚病の中で、最も
頑強
(
がんきょう
)
な
痒
(
かゆ
)
さを与えて輪郭的に拡がる性質をもっていた。
掻
(
か
)
けば花弁を踏みにじったような汁が出た。
ナポレオンと田虫
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
総
常用漢字
小5
部首:⽷
14画
“総”を含む語句
上総
総身
下総
総領
総角
上総介
総督
総毛立
総々
総括
総追捕使
総計
総帥
総髪
総出
総立
下総国
総代
総崩
安房上総
...