“ひうを”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
乾魚50.0%
干魚50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのかへりみちに犬養氏は国民党本部へ立ち寄つた。そして乾魚ひうをのやうな痩せた体躯からだをぐたりと椅子の上に下すと、居合はせた党員の誰彼を見て言つた。
お人好しの詩人は、それを聞くと狼狽うろたへ出した。をんなを引張るやうにして、そのうちへ駈けつけてみると、病人は乾魚ひうをのやうに痩せた身体からだを床の中によこたへてゐた。詩人は脈を取つてみた。
干魚ひうをを売る女 何の健気な事がありますものか? 捨てられた妻子の身になれば、弥陀仏でも女でも、男を取つたものには怨みがありますわね。
往生絵巻 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
父も継母はゝも寺へお詣りに行つて居た留守の間に、私は小さな風呂敷包を一つ抱へて、干魚ひうをを積んで加賀の金石かないはまで行く小さな漁舟れふぶねの一隅に身を寄せて、また再び相見あひまみえようとの予想もなく
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)