トップ
>
干魚
>
ほしうお
ふりがな文庫
“
干魚
(
ほしうお
)” の例文
人目を避けて、
蹲
(
うずくま
)
って、
虱
(
しらみ
)
を
捻
(
ひね
)
るか、
瘡
(
かさ
)
を
掻
(
か
)
くか、弁当を使うとも、
掃溜
(
はきだめ
)
を探した
干魚
(
ほしうお
)
の骨を
舐
(
しゃぶ
)
るに過ぎまい。乞食のように薄汚い。
伯爵の釵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
……酔い
臥
(
ふ
)
しているアイヌの
酋長
(
しゅうちょう
)
を、その家族たちの眼の前で絞殺して、秘蔵のマキリ(アイヌが熊狩りに用いる鋭利な短刀)一
挺
(
ちょう
)
と、数本の
干魚
(
ほしうお
)
を奪い去った。
白菊
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
かれらは、明日は別れなければならぬひと時の食事に、塩した
干魚
(
ほしうお
)
をかじりながらも幸福だった。
津の国人
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
現在、わしが今、髪を抜いた女などはな、蛇を
四寸
(
しすん
)
ばかりずつに切って干したのを、
干魚
(
ほしうお
)
だと云うて、
太刀帯
(
たてわき
)
の陣へ売りに
往
(
い
)
んだわ。
疫病
(
えやみ
)
にかかって死ななんだら、今でも売りに往んでいた事であろ。
羅生門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
干魚
(
ほしうお
)
の上を
鳶
(
とび
)
舞ふ浜暑し
六百句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
▼ もっと見る
人目を避けて、
蹲
(
うずくま
)
つて、
虱
(
しらみ
)
を
捻
(
ひね
)
るか、
瘡
(
かさ
)
を
掻
(
か
)
くか、弁当を使ふとも、
掃溜
(
はきだめ
)
を探した
干魚
(
ほしうお
)
の骨を
舐
(
しゃぶ
)
るに過ぎまい。
乞食
(
こじき
)
のやうに
薄汚
(
うすぎたな
)
い。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
干
常用漢字
小6
部首:⼲
3画
魚
常用漢字
小2
部首:⿂
11画
“干魚”で始まる語句
干魚場
干魚船