干魚ほしうを)” の例文
現に、自分が今、かみを拔いた女などは、へびを四寸ばかりづゝにつて干したのを、干魚ほしうをだと云つて、太刀帶たてはきの陣へ賣りに行つた。
羅生門 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
さて新道が出来ると人力じんりきが通る。荷車は干魚ほしうをなどを積んで通る。郵便脚夫きやくふが走る。後には乗合馬車のりあひばしやが通り、新発田しばたの第十六聯隊れんたいも通つた。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
画家の名を負うたヷン・ダイクの河岸かし凹凸あうとつの多い石畳を踏み、石炭、干魚ほしうを、酒などの匂ひの入交いりまじるのを嗅ぎながら色んな店をのぞいて歩いた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)