“ひから”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
干乾48.9%
乾枯9.6%
乾干9.6%
8.5%
乾涸8.5%
干枯6.4%
乾燥3.2%
干涸2.1%
1.1%
1.1%
毘呵羅1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
井戸のわきを通ると、釣瓶も釣瓶たばも流しに手繰り上げてあツて、其がガラ/\と干乾ひからびて、其處らに石ばいが薄汚なくこびり付いてゐた。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
恐らく、それと共に、今日の僕の記憶力も、臨終の床に夢を見る老耄おいぼれどもの乾枯ひからびた脳髄と同じくらいに衰耗しているのに違いない。
二十歳のエチュード (新字新仮名) / 原口統三(著)
公園には人影ひとかげがなかった。乾干ひからびた電車の音だけが夜の静寂せいじゃくを破っていた。空には星、地にはアーク灯、それのみが静かに輝いていた。
後の首筋を蒼くして、無暗むやみに御部屋の雑巾掛や御掃除をさせて、物を仰るにも御声が咽喉のどひからびついたようになります。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
人差指はその家婦かみさんだ。干鱈ひだらのやうに乾涸ひからびた男まさり、あさつぱらから女中をちどほしだ、けるのだらう、徳利は手を離さない、好きだから。
五本の指 (旧字旧仮名) / ルイ・ベルトラン(著)
八百屋やおや干枯ひからびて積んであるものを買わず、足まめに近くに百姓家ひゃくしょうやがあれば自分で買いに行くがいい。かえって安価につくかも知れない。
味覚馬鹿 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
「ええ。」女はまた男のしめった乱髪みだれがみに接吻した。女はなんとも云えないほど悲しかった。泣きたいようであった。しかしその感動には一種の枯れた、乾燥ひからびたような心持ちが交っていた。
みれん (新字新仮名) / アルツール・シュニッツレル(著)
干涸ひからび切った醜女があんなにも水々しい妖艶な女と変じ
陳情書 (新字新仮名) / 西尾正(著)
肉づいた手に、指環などをひからせている精米所の主人のことを、小野田は山にいた時のお島の旦那か何ぞであったようにうたがって、彼等が帰ったあとで、それをお島の前に言出した。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
肉はひからび、皮しなびて見るかげもないが、手、胸などの巌乗がんじょうさ、渋色しぶいろ亀裂ひびが入つて下塗したぬりうるしで固めたやう、だ/\目立つのは鼻筋の判然きっぱりと通つて居る顔備かおぞなえと。
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
『外国事』にいう、毘呵羅ひから寺に神竜ありて、倉中に往来す、奴米を取る時、竜却後ひっこむ、奴もし長く取れば竜与えず、倉中米尽くれば、奴竜に向い拝すると、倉やがて盈溢みちあふる(『淵鑑類函』四三七)。