トップ
>
乾干
>
ひから
ふりがな文庫
“
乾干
(
ひから
)” の例文
土気色をした
瘠
(
や
)
せて枯木のように
乾干
(
ひから
)
び切った埃及の木乃伊を連想する我らの木乃伊の概念を越えて、これはまたなんという美しい
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
公園には
人影
(
ひとかげ
)
がなかった。
乾干
(
ひから
)
びた電車の音だけが夜の
静寂
(
せいじゃく
)
を破っていた。空には星、地にはアーク灯、それのみが静かに輝いていた。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
こうお種は言いかけたが、興奮のあまり声が
咽喉
(
のど
)
へ
乾干
(
ひから
)
び付いたように成った。豊世も
姑
(
しゅうとめ
)
の側に考深い眼付をして、女持の
煙管
(
きせる
)
で煙草を
燻
(
ふか
)
していた。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
そして不幸な私達は聞いても聞いてゐられないやうな反感をそそられながら、その少し鼻にかかつたねばり聲から、
乾干
(
ひから
)
びきつた倫理の講義を授けられた。また小才子の英語の先生がゐた。
猫又先生
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
日本の教育という意味が青年教育ばかりに偏しているので、青年の思想はどしどし前へ進んで行くのに、老人は一度若い時に教育されたきりであるからその思想は過去のままに
乾干
(
ひから
)
びている。
姑と嫁について
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
▼ もっと見る
緑地
(
オアシス
)
も
蜃気楼
(
しんきろう
)
も求められない沙漠のような……カサカサに
乾干
(
ひから
)
びたこの巨大な空間に、自分の空想が生んだ
虚構
(
うそ
)
の事実を、唯一無上の天国と信じて、生命がけで抱き締めて来た彼女の心境を
少女地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
乾干
(
ひから
)
びた、人間知のない、かかしのような人間です。
すべての芽を培え
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
明けても暮れても雨と暑さ、そしてこの
倦怠
(
だる
)
さと一日一日灰色に
乾干
(
ひから
)
びてゆく心! こんな世界に、何が始まり得るというのだろう。
令嬢エミーラの日記
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
「それで旦那、奥様のことでやす」とホセは喉の
乾干
(
ひから
)
びたような声を出した。精一杯に一万五千ペセタになる陳述をしようという意気込みであった。
陰獣トリステサ
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
乾
常用漢字
中学
部首:⼄
11画
干
常用漢字
小6
部首:⼲
3画
“乾”で始まる語句
乾
乾児
乾坤
乾分
乾物
乾燥
乾酪
乾坤一擲
乾草
乾枯