“蜃気楼”のいろいろな読み方と例文
旧字:蜃氣樓
読み方割合
しんきろう92.8%
ミラージュ1.4%
かいやぐち1.4%
かいやぐら1.4%
かひやぐら1.4%
ミュアジュ1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今この茶碗で番茶をすすっていると、江戸時代の麹町が湯気の間から蜃気楼しんきろうのように朦朧もうろうと現れて来る。店の八つ手はその頃も青かった。
二階から (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
氷河や山稜アレトの削りとられた鋭い輪廓は、立体的には見えないで、薄い、然しフレッシュな色彩で、大空に画かれた蜃気楼ミラージュのように思われた。
スウィス日記 (新字新仮名) / 辻村伊助(著)
蜃気楼かいやぐちもあまり立たないと思うておりゃ、またばてれんをやりだした
放生津物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
目の下に黒く死人しびとのにおいを蔵していた京の町も、わずかのに、つめたい光の鍍金めっきをかけられて、今では、こしの国の人が見るという蜃気楼かいやぐらのように、塔の九輪や伽藍がらんの屋根を
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
白い国! 蜃気楼ミュアジュもかくや、——など陳腐ちんぷな形容ですが、事実、ぼくは蜃気楼ミュアジュをみた想いでした。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)