“ぼし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
37.5%
拇指27.5%
母子17.5%
5.0%
武士2.5%
法師2.5%
2.5%
戊子2.5%
母氏2.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
松浦侯の三ツぼしの家紋のついた幕舎の床几に、老中阿部対馬、牧野内匠頭たくみのかみ、堀内加賀、目付兼松五郎左衛門、松浦侯などがいた。
ひどい煙 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
左の示指しし拇指ぼしで、作左衛門の首筋をピタリと押えた佐の市、これは圧手おしでと言って、その道ではなかなかやかましいもの。
禁断の死針 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
……そうだ、そうだったわと、今さらながらの一つの光明を、おん母子ぼしの姿から、いただいた気がいたしました
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
三日ほど前から、御番城の蔵方くらかたでは、武器係り、道具係り、図書係りなど総勢で、例年のように、御蔵の風入れにかかって、毎日、虫ぼしに忙殺されていた。
夏虫行燈 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
林「いや、是はどうも勿体ない事でござえます、是はどうもはや、わしの様な者はとてもはや武士ぼしには成れません」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
林「でござえますが、武士ぼしは窮屈ではありませんか、ぜつわしは町人になって商いをして見たいので」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
お気の毒さまと言ひながらずつと這入はいるは一寸法師ぼし仇名あだなのある町内の暴れ者、傘屋の吉とて持て余しの小僧なり、年は十六なれども不図ふと見るところは一か二か、肩幅せばく顔少さく
わかれ道 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
身は疳癪かんしやくに筋骨つまつてか人よりは一寸法師ぼし一寸法師とそしらるるも口惜くちをしきに、吉や手前てめへは親の日になまぐさをやつたであらう、ざまを見ろ廻りの廻りの小仏と朋輩の鼻垂れに仕事の上のあだを返されて
わかれ道 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
その日は朝からからっと晴れた好天気で、気候も初夏らしく温い日だったので、人びとはお祭り騒ぎで替えぼしをはじめた。
赤い牛 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
明和めいわ戊子ぼし晩春、雨れ月朦朧もうろうの夜、窓下さうかに編成し、以て梓氏ししあたふ。題して雨月物語うげつものがたりふと云ふ。剪枝畸人せんしきじん書す。
二十七日明クルヲ待ツテ客館ニ入ル。江都ノ訃来ル。始メテ母氏ぼし本月十九日ヲ以テ没シタルヲ知ル。コレヨリ先母氏かくヲ患ヒタリ。余児輩じはいト商量シマサニ起程きていヲ緩クセントス。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)