ぼし)” の例文
可厭いやらしくすごく、不思議なる心持いまもするが、あるいは山男があまぼしにしてたくわえたるものならんも知れず、しからぬ事かな。
遠野の奇聞 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
三日ほど前から、御番城の蔵方くらかたでは、武器係り、道具係り、図書係りなど総勢で、例年のように、御蔵の風入れにかかって、毎日、虫ぼしに忙殺されていた。
夏虫行燈 (新字新仮名) / 吉川英治(著)