トップ
>
乾涸
>
ひから
ふりがな文庫
“
乾涸
(
ひから
)” の例文
其の頃は体が今程肥満して居ず、見すぼらしい程痩せ
乾涸
(
ひから
)
びて目方も十一二貫しかなかつた代りに、脚だけは非常に達者なものであつた。
青春物語:02 青春物語
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
人差指はその
家婦
(
かみさん
)
だ。
干鱈
(
ひだら
)
のやうに
乾涸
(
ひから
)
びた男まさり、
朝
(
あさ
)
つぱらから女中を
打
(
ぶ
)
ちどほしだ、
嫉
(
や
)
けるのだらう、徳利は手を離さない、好きだから。
五本の指
(旧字旧仮名)
/
ルイ・ベルトラン
(著)
伝六郎は床の間の上に並んで
架
(
か
)
かっている二枚の額を見上げた。古びた金縁の中に極めて下手な油絵の老夫婦の和服姿が
乾涸
(
ひから
)
びたままニコニコしていた。
笑う唖女
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ちょうど
乾涸
(
ひから
)
びた
糒
(
ほしい
)
のようなもので
一粒
(
ひとつぶ
)
一粒に孤立しているのだから根ッから面白くないでしょう。
道楽と職業
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その真暗な
茫々
(
ぼうぼう
)
たる平地は一面の古沼であって、
其処
(
そこ
)
に沢山の
蓮
(
はす
)
が植わっていたのである。蓮はもう半分枯れかかって、葉は
紙屑
(
かみくず
)
か何ぞのように
乾涸
(
ひから
)
びている。
母を恋うる記
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
老婆は縁側へ両手を突いたまま、
乾涸
(
ひから
)
びた
咽喉
(
のど
)
を潤おすべくグッと
唾液
(
つばき
)
を嚥み込んだ。
狂歌師赤猪口兵衛:博多名物非人探偵
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
燦爛
(
さんらん
)
とした星の空を
戴
(
いただ
)
いて夢のような神秘な空気に
蔽
(
おお
)
われながら、赤い燈火を
湛
(
たた
)
えて居る夜の趣とは全く異り、秋の日にかんかん照り附けられて
乾涸
(
ひから
)
びて居る貧相な家並を見ると
秘密
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
その
乾涸
(
ひから
)
びた、固定した視線の一直線上に、雪で真白になった
晩香坡
(
バンクーバ
)
の桟橋がある。その向う一面に美しい
燈火
(
ともしび
)
がズラリと並んでいようという……ところまで、やっと
漕
(
こ
)
ぎ付けたんだがね。
難船小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
乾
常用漢字
中学
部首:⼄
11画
涸
漢検1級
部首:⽔
11画
“乾”で始まる語句
乾
乾児
乾坤
乾分
乾物
乾燥
乾酪
乾坤一擲
乾干
乾草