“干乾(ひぼし)” の例文
何をするか知らぬと思う間もなく、三日半も干乾(ひぼし)にして庭樹(にわき)の枝に縛り付けてあった囚人(しゅうじん)目がけてズドンと一発放つや否や、キャッという叫び声。
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
道也には妻(さい)がある。妻と名がつく以上は養うべき義務は附随してくる。自(みず)からみいらとなるのを甘んじても妻を干乾(ひぼし)にする訳(わけ)には行かぬ。干乾にならぬよほど前から妻君はすでに不平である。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「稼がなければ、これ丈けの人数が干乾(ひぼし)になるから仕方がないんだ」
凡人伝 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
……復讐(かたきうち)をする前に、こっちが干乾(ひぼし)になってしまう。そのくせ、内蔵助などは、あの豪奢(ごうしゃ)ぶり、子供に、無心の手紙を、両三度持たせてやったが、返事もよこさん。自体、人を小馬鹿にしたやり口だ。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)