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牽
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ひか
ふりがな文庫
“
牽
(
ひか
)” の例文
初めて鳴鳳楼で逢った以来儂のではお厭なのと云って手巾を出されたことを第一として、自分と手を
牽
(
ひか
)
れて歩いた事、結んだ
綯
(
こより
)
に目賀田とあるを悦んだ事
油地獄
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
すでにこの河面に
嫌厭
(
けんえん
)
たるものを
萌
(
きざ
)
しているその上に、私はとかく後に心を
牽
(
ひか
)
れた。何という不思議なこの家の娘であろう。この娘にも一光閃も、一陰翳もない。
河明り
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
それがまた
勘
(
かん
)
が悪いと見えて、
船着
(
ふなつき
)
まで手を
牽
(
ひか
)
れて来る始末だ。
無途方
(
むてっぽう
)
も
極
(
きわま
)
れりというべしじゃないか。これで波の上を
漕
(
こ
)
ぐ気だ。
皆
(
みんな
)
呆
(
あき
)
れたね。
険難千方
(
けんのんせんばん
)
な話さ。
取舵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
又あの子も為ないでも好い苦労を為なけりやなるまいと、そればかりに
牽
(
ひか
)
されて、色々話も有るものだから、あの子の阿母さんにも逢つて遣りたし、それに、私も出るに就いちや
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
藤井は
妾
(
しょう
)
の
何人
(
なんびと
)
なるかを問い
究
(
きわ
)
むる暇もなく、その人に
牽
(
ひか
)
れて来り見れば、何ぞ
図
(
はか
)
らん
従妹
(
じゅうまい
)
の妾なりけるに、更に思い寄らぬ
体
(
てい
)
にて、
何故
(
なにゆえ
)
の東上にや、両親には許可を得たりやなど
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
▼ もっと見る
足下
(
きみ
)
は
昨夜
(
ゆうべ
)
はマブ
媛
(
ひめ
)
(夢妖精)とお
臥
(
ね
)
やったな!
彼奴
(
あいつ
)
は
妄想
(
もうざう
)
を
産
(
う
)
まする
産婆
(
さんば
)
ぢゃ、
町年寄
(
まちどしより
)
の
指輪
(
ゆびわ
)
に
光
(
ひか
)
る
瑪瑙玉
(
めなうだま
)
よりも
小
(
ちひ
)
さい
姿
(
すがた
)
で、
芥子粒
(
けしつぶ
)
の一
群
(
ぐん
)
に
車
(
くるま
)
を
牽
(
ひか
)
せて、
眠
(
ねぶ
)
ってゐる
人間
(
にんげん
)
の
鼻柱
(
はなばしら
)
を
横切
(
よこぎ
)
りをる。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
さては
往来
(
ゆきき
)
の
遑
(
いとまな
)
き目も皆
牽
(
ひか
)
れて、この節季の
修羅場
(
しゆらば
)
を
独
(
ひとり
)
天下
(
てんか
)
に
吃
(
くら
)
ひ
酔
(
ゑ
)
へるは、何者の
暢気
(
のんき
)
か、
自棄
(
やけ
)
か、豪傑か、
悟
(
さとり
)
か、
酔生児
(
のんだくれ
)
か、と
異
(
あやし
)
き姿を見て
過
(
すぐ
)
る有れば、
面
(
おもて
)
を識らんと
窺
(
うかが
)
ふ有り
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
牽
漢検準1級
部首:⽜
11画
“牽”を含む語句
牽引
牽強附会
牽強
牽牛子
牽引力
牽牛星
牽引車
牽牛花
牽綱
相牽
牽索
牽制
牽付
牽強付会
牽牛
猿牽
牽挺
牽引性
牽出
牽牛織女
...