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引
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ひか
ふりがな文庫
“
引
(
ひか
)” の例文
誰
(
たれ
)
も爲る
者
(
もの
)
有
(
あ
)
るまじと思ひ
頻
(
しきり
)
に
悲
(
かな
)
しく心は後へ
引
(
ひか
)
れながら既に
奉行所
(
ぶぎやうしよ
)
へ來り
白洲
(
しらす
)
へ
引居
(
ひきすゑ
)
られたり此日伊勢屋三郎兵衞方にては彼旅僧を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
父と下町へ行くのはいつも私の楽しみにして居たことで、此日もかういはれると
嬉
(
うれ
)
しくて
堪
(
たま
)
らず、父の手に
引
(
ひか
)
れてイソ/\
出
(
い
)
で
行升
(
ゆきまし
)
た。
黄金機会
(新字旧仮名)
/
若松賤子
(著)
女房は暗がりの路次に足を
引
(
ひか
)
れ、穴へ掴込まれるやうに、頸から、肩から、ちり毛もと、ぞッと氷るばかり寒くなつた。
夜釣
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
若し母と寧児さえ無くば
妾
(
わらわ
)
斯
(
かゝ
)
る危き所へ足蹈もする筈なけれど妾の如き薄情の女にも母は懐しく児は愛らしゝ一ツは母の懐しさに
引
(
ひか
)
され一ツは子の愛らしさに引されしなり
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
長
(
なが
)
し
大河
(
おほかは
)
の
水
(
みづ
)
に
沈
(
しづ
)
む
覺悟
(
かくご
)
も
極
(
きわ
)
めしかど
引
(
ひか
)
れし
後
(
うし
)
ろ
髮
(
がみ
)
の
千筋
(
ちすぢ
)
にはあらで
一筋
(
ひとすぢ
)
に
逢
(
あ
)
ふといふ
日
(
ひ
)
を
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
然
(
しか
)
し
幾
(
いく
)
らも
耕
(
たがや
)
さぬうちに
日
(
ひ
)
は
落
(
お
)
ちて
俄
(
には
)
かに
冷
(
つめ
)
たく
成
(
な
)
つた
世間
(
せけん
)
は
暗澹
(
あんたん
)
として
來
(
き
)
た。お
品
(
しな
)
は
勘次
(
かんじ
)
を
出
(
だ
)
して
酷
(
ひど
)
く
遣瀬
(
やるせ
)
ないやうな
心持
(
こゝろもち
)
になつて、
雨戸
(
あまど
)
を
引
(
ひか
)
せて
闇
(
くら
)
い
方
(
はう
)
へ
向
(
むい
)
て
目
(
め
)
を
閉
(
と
)
ぢた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
二郎はその言葉を聞き、何となく悲しく感じて、姉に手を
引
(
ひか
)
れて林の裡から出た。……
稚子ヶ淵
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
お島はとぼとぼと構内を出て来たが、やっぱり
後髪
(
うしろがみ
)
を
引
(
ひか
)
るるような未練が残っていた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
余
(
よ
)
はかの
夜
(
よる
)
の悪女と相並びて、手を
引
(
ひか
)
るゝまゝに、見も如らぬ裏街を歩み居り候。
夜あるき
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
私もよもやに
引
(
ひか
)
されて、今にあなたが良くなるだろう、今に良くなるだろうと思っていても、何時まで経ってもよくならないのだもの。それにあなたぐらい猫の眼のように心の変る人は無い。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
茶に
染返
(
そめかへ
)
したる
布子
(
ぬのこ
)
なり是は
取置
(
とりおけ
)
と申付られ
頓
(
やが
)
て火も
鎭
(
しづま
)
りしかば皆々火事場を
引
(
ひか
)
れけり扨又喜八は
危
(
あやふ
)
くも袖を切て其の場を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
女房
(
にようばう
)
は
暗
(
くら
)
がりの
路地
(
ろぢ
)
に
足
(
あし
)
を
引
(
ひか
)
れ、
穴
(
あな
)
へ
掴込
(
つかみこ
)
まれるやうに、
頸
(
くび
)
から、
肩
(
かた
)
から、ちり
毛
(
け
)
もと、ぞツと
氷
(
こほ
)
るばかり
寒
(
さむ
)
くなつた。
夜釣
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
徳蔵おじに手を
引
(
ひか
)
れて、外へ出た時、初めて世はういものという、習い始めをしました。
忘れ形見
(新字新仮名)
/
若松賤子
(著)
胎毒
(
たいどく
)
ですか、また案じられた
種痘
(
うえぼうそう
)
の頃でしたか、
卯辰山
(
うたつやま
)
の下、あの
鶯谷
(
うぐいすだに
)
の、中でも奥の寺へ、祖母に手を
引
(
ひか
)
れては参詣をしました処、山門前の坂道が、両方
森々
(
しんしん
)
とした
樹立
(
こだち
)
でしょう。
菊あわせ
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
宰領
(
さいりやう
)
す供には常樂院大膳左京等皆々附隨がふ
程
(
ほど
)
なく伊豆守殿御役宅に到るに
開門
(
かいもん
)
あれば天一坊の乘物は
玄關
(
げんくわん
)
へ
横付
(
よこつけ
)
にしたり案内の公用人に
引
(
ひか
)
れ
廣書院
(
ひろしよゐん
)
へ通り
上段
(
じやうだん
)
なる設の席に着す常樂院伊賀亮等は
次
(
つぎ
)
の
間
(
ま
)
へ着座す又此方に控へらるゝ
御役人方
(
おんやくにんがた
)
には
御老中筆頭
(
ごらうちうひつとう
)
松平伊豆守殿を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
“引”の解説
引(いん、yǐn)は中国の伝統的な長さの単位である。1丈の10倍にあたる。実際の長さは時代によって異なる。
『漢書』律暦志に「度者、分・寸・尺・丈・引也。……十分為寸、十寸為尺、十尺為丈、十丈為引。」と見える。
1929年に市制が定められたときには「引」も定義されており、100尺 = 100/3メートル(約33.3m)であった。しかしあまり使われることはなく、中華人民共和国の市制では定義されていない。
(出典:Wikipedia)
引
常用漢字
小2
部首:⼸
4画
“引”を含む語句
引掛
引剥
誘引
引返
引退
引被
引込
引張
引立
引裂
股引
引懸
引廻
引籠
引越
引取
引傾
承引
引摺
引掴
...