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廣書院
拂ひ
目覺しくも又
勇々敷ぞ見えたりける
斯て玄關に到れば取次の
役人兩人
下座敷まで
出迎へ案内して
廣書院へ通せしを見るに上段には
簾を
下し中には二
疊臺の上に
錦の
褥を敷て座を
宰領す供には常樂院大膳左京等皆々附隨がふ
程なく伊豆守殿御役宅に到るに
開門あれば天一坊の乘物は
玄關へ
横付にしたり案内の公用人に
引れ
廣書院へ通り
上段なる設の席に着す常樂院伊賀亮等は
次の
間へ着座す又此方に控へらるゝ
御役人方には
御老中筆頭松平伊豆守殿を