“うたゝね”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
転寝23.8%
假寢19.0%
轉寢14.3%
仮寐9.5%
仮寝9.5%
假睡9.5%
仮睡4.8%
転寐4.8%
轉寐4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
取引が無事に済むと、玄知は腰にしたひさごをほどいて、花の下で酒を飲み出した。百姓が夕方野良から帰つてみると、玄知は花の下でいぬころのやうにいびきを掻きながら転寝うたゝねをしてゐた。
寢不足にまけ、暑さにまけ、焦慮にまけて私は何時の間にか假寢うたゝねをしてゐたのだ。額にも、胸にも、背にも、腋の下にも、膝の裏にも、濃い油汗が氣味惡くにじみ出てゐた。
小さき影 (旧字旧仮名) / 有島武郎(著)
成程なるほど八疊はちでふ轉寢うたゝねをすると、とろりとすると下腹したはらがチクリといたんだ。
くさびら (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
昨夕ゆふべ何時いつ御帰おかへりでした。ついつかれちまつて、仮寐うたゝねをしてゐたものだから、ちつとも気が付きませんでした。——てゐる所を御覧になつたんですか、先生も随分ひとわるいな。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
のみならず、深いところへ陥落おちいるやうな睡眠ねむりで、目が覚めた後は毎時いつも頭が重かつた。其晩も矢張同じやうに、同じやうな仮寝うたゝねから覚めて、暫時しばらく茫然ぼんやりとして居たが、やがて我に帰つた頃は、もう遅かつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
今朝、テュイルリイの庭の中、太陽は、ふとした影の落ちるのにも忽ち假睡うたゝねの夢やぶられる金髮の少年といつたやうに、石の階段きざはしの一つびとつのうへに輕い眠りを貪つてゐた——
(旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
門野かどの寐惚ねぼまなここすりながら、雨戸あまどけにた時、代助ははつとして、此仮睡うたゝねからめた。世界の半面はもう赤いあらはれてゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
主人の寝部屋の外で転寐うたゝねをしてゐる家来共のためには、鬱陶しい夜であつた。無言のルカス丈が黙つておとなしく主人の傍にゐた。夜どほし部屋の中を往つたり返つたりしてゐる主人の足音が聞えた。
あいちやんは自分じぶん轉寐うたゝねしながら、たまつてあるいてるのをゆめ
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)