“いねむ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
居睡56.6%
居眠31.3%
坐睡6.0%
坐眠2.4%
仮睡1.2%
居寐1.2%
居寝1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
叔母のかたをばんでいるうち、夜も大分だいぶけて来たので、源三がついうかりとして居睡いねむると、さあ恐ろしい煙管きせる打擲ちょうちゃくを受けさせられた。
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
しかし予は衷心ちゅうしん不憫ふびんにたえないのであった。ふたりの子どもはこくりこくり居眠いねむりをしてる。お光さんもさすがに心を取り直して
紅黄録 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
その中でも眠流ねむりながしまたはネブタ流しというのが、これからそろそろ始まる夜仕事に、坐睡いねむりの出ぬまじないだったことは、前に信州随筆という本に詳しく書いておいた。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
思い思いに捻向ねじむいて、硝子戸がらすどから覗く中に、片足膝の上へ投げて、丁子巴ちょうじどもえの羽織の袖を組合わせて、茶のその中折を額深ひたいぶかく、ふらふら坐眠いねむりをしていたらしい人物は、酒井俊蔵であった。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
間調子まぢょうしに合わせて、その段の欄干を、軽く手を打ちて、機織の真似し、次第に聞惚ききほれ、うっとりとなり、おくれはらはらとうなだれつつ仮睡いねむる。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
貞吉ていきちという小僧が、こくりこくりと居寐いねむりをしていたので、急いで内へ飛込とびこんで、只今ただいまと奥へ挨拶をすると主人は「大分だいぶ今夜は遅かったね」と云うから
死神 (新字新仮名) / 岡崎雪声(著)
御嶽山おんたけさんのお水を持っておいでよ、なにをグズ/\してるんだよ、今ッから居寝いねむりなんぞしやアがって、花魁、しッかりしなましよ、サこれを呑んで気を附けなけりゃいけまへんよ花魁