“かりね”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
仮寝29.4%
仮寐17.6%
假寐17.6%
仮睡11.8%
仮臥5.9%
假寢5.9%
刈寝5.9%
刈根5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
流沙河と墨水と赤水との落合う所を目指して、悟浄ごじょうは北へ旅をした。夜は葦間あしま仮寝かりねの夢を結び、朝になれば、また、はて知らぬ水底の砂原を北へ向かって歩み続けた。
悟浄出世 (新字新仮名) / 中島敦(著)
茶屋が裏ゆく土手下の細道に落かかるやうな三味のを仰いで聞けば、仲之町なかのてう芸者がえたる腕に、君が情の仮寐かりねの床にと何ならぬ一ふし哀れも深く
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
いま少時しばしねえさんのひざまくら假寐かりねむすんだあいちやんのゆめいてほどけばうつくしいはな數々かず/\色鮮いろあざやかにうるはしきをみなして、この一ぺんのお伽噺とぎばなし出來できあがつたのです。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
炬燵こたつ仮睡かりねしていた机竜之助は、ふと眼をあいてだるそうな声。
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
源氏は縁に近い寝床で、仮臥かりねのように横になっていた。随行者たちももう寝たようである。紀伊守は愛らしい子供を幾人も持っていた。御所の侍童を勤めて源氏の知った顔もある。
源氏物語:02 帚木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
さうして甘酸ゆい燐光の息するたびに、あをあをとみる螢籠に美くしい假寢かりねの夢を時たまに閃めかしながら水のまにまに夜をこめて流れ下るのを習慣とするのである。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
それから越後を通って九月にはもう羽前のねずヶ関に来ているから、この地では腰を落ち付けて休む家もなかったのである。「鰐田あきた刈寝かりね」は九月以後の日記である。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
あきともかずひるともらず朧夜おぼろよ迷出まよひいでて、あはれ十九を一期いちごとして、同國どうこく浦崎うらざきところ入江いりえやみしづめて、あし刈根かりねのうたかたに、黒髮くろかみらしたのである。
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)