仮寝かりね)” の例文
旧字:假寢
五、六日ごろの夕月は早く落ちてしまって、涼しい色の曇った空のもとではおぎの葉が哀れに鳴っていた。琴をまくらにして源氏と玉鬘とは並んで仮寝かりねをしていた。
源氏物語:27 篝火 (新字新仮名) / 紫式部(著)
流沙河と墨水と赤水との落合う所を目指して、悟浄ごじょうは北へ旅をした。夜は葦間あしま仮寝かりねの夢を結び、朝になれば、また、はて知らぬ水底の砂原を北へ向かって歩み続けた。
悟浄出世 (新字新仮名) / 中島敦(著)
お君は悲しさと懐しさで、母を慕うて声をあげた時に、仮寝かりねの夢が破れました。
大菩薩峠:07 東海道の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ごろりと、随時に、仮寝かりねをとる。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
仮寝かりねの夢も
のきばすずめ (新字旧仮名) / 野口雨情(著)