誰にあてるともなくこの私信を書き連らねて見る。 信州の山の上にあるK驛に暑さを避けに來てゐる人は澤山あつた。彼等は思ひ/\に豐な生活の餘裕を樂んでゐるやうに見えた。さはやかな北海道の夏を思はせるやうなそこの高原は、實際都會の苦熱に倦み疲れた …
著者 | 有島武郎 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
初出 | 「大阪毎日新聞 第一二七五四號~第一二七六一號」1919(大正8)年1月5日~12日
「東京日日新聞 第一五一六九號~第一五一七六號」1919(大正8)年1月 |
文字種別 | 旧字旧仮名 |
読書目安時間 | 約18分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約30分(300文字/分) |