仮寝うたゝね)” の例文
旧字:假寢
彼は、壁一面に貼りつけた満洲の地図と大きな地球儀を備へた離れの居間にうづくまつて、酒がまはると脇息にもたれて仮寝うたゝねをするだけだつた。
サクラの花びら (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
のみならず、深いところへ陥落おちいるやうな睡眠ねむりで、目が覚めた後は毎時いつも頭が重かつた。其晩も矢張同じやうに、同じやうな仮寝うたゝねから覚めて、暫時しばらく茫然ぼんやりとして居たが、やがて我に帰つた頃は、もう遅かつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)