假睡うたゝね)” の例文
新字:仮睡
女中達は假睡うたゝねして行夫の聲や私の跫音を聞きつけたものは一人もゐないらしかつた。それで私は夜の可なり更けたのを氣付いた。
小さき影 (旧字旧仮名) / 有島武郎(著)
今朝、テュイルリイの庭の中、太陽は、ふとした影の落ちるのにも忽ち假睡うたゝねの夢やぶられる金髮の少年といつたやうに、石の階段きざはしの一つびとつのうへに輕い眠りを貪つてゐた——
(旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)