“書附”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かきつけ86.7%
かきつ13.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お葉は正面の寒水石かんすいせきの売台の前へ往って、そこから小さな書附かきつけって来て天風の前へ置いた。天風は五十銭銀貨を三つばかり置いてちながらだめを押した。
文妖伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
御考慮下さらなければね。何か証明の方法がおありだとよいのですがな……何か書附かきつけひとつでも……
ほう、ここはまだ、みそかの支払いもすまないと見えて、あるわ、あるわ、書附かきつけが。ここに取りちらかしてある書附け、全部で、三、四十両くらいのものか。
新釈諸国噺 (新字新仮名) / 太宰治(著)
飲んだ。それから十分ばかり経つと、疲れが出てうつらうつらと甘睡まどろんだ、二時を打つ時計の音ではっと眼が醒めると、西側の壁に朱色の文字が書附かきつけてあった——そうでしょう
黒襟飾組の魔手 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)