交睫まどろ)” の例文
不※氣がつくと、自分は其處で少し交睫まどろみかけたらしい。お利代は加藤醫師を伴れて來て、心配氣な顏をして起してゐる。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
暗く交睫まどろみつつある心の表に突然三味線が鳴り出したり御詠歌が聞えたりするのを、半ば無意識に聞くといふ事は、然し兎に角愉快な事であつた。
京阪聞見録 (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
かわは長く流れて、向山むこうやまの松風静かにわたところ、天神橋の欄干にもたれて、うとうとと交睫まどろ漢子おのこあり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
不図気がつくと、自分は其処で少し交睫まどろみかけたらしい。お利代は加藤医師を伴れて来て、心配気な顔をして起してゐる。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
渠はこの夜の演芸をわりしのち、連日の疲労一時に発して、楽屋の涼しき所に交睫まどろみたりき。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お利代が寝ずに看護してくれて、腹をさすつたり、温めたタヲルで罨法あんぱふつたりした。トロ/\と交睫まどろむと、すぐ烈しい便気の塞迫と腹痛に目が覚める。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
お利代が寢ずに看護してくれて、腹を擦つたり、温めたタオルで罨法あんぽふつたりした。トロ/\と交睫まどろむと、すぐ烈しい便氣の塞迫と腹痛に目が覺める。翌朝の四時までに都合十三回も便所に立つた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)