“交錯”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こうさく81.6%
かうさく10.5%
こんがら5.3%
くみかわ2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ああできたらさぞ好かろうという感じと、いくら年をとってもああはやりたくないという感じが、彼女の心にいつもの通り交錯こうさくした。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「はつ‥‥」と、田中たなかはあわてて路上ろじやう腹這はらばひになつてばした。が、はなかなかとどかなかつた。手先てさき銃身じうしんとが何度なんど空間くうかん交錯かうさくつた。
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
その戸棚を開けると緑礬、硝石、甘草、肉桂、薄荷、どくだめの葉、中には賣藥の版木等がしんみりと交錯こんがらがつた一種異樣の臭を放つ。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
彼の眼前に現われた一つの驚くべきもの以外の世界は——座席の背長椅子バルダキンも、頭上に交錯くみかわしている扇形の穹窿きゅうりゅうも、まるで嵐の森のように揺れはじめて、それ等がともども
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)