“睡:ねむ” の例文
“睡:ねむ”を含む作品の著者(上位)作品数
宮沢賢治32
海野十三29
田中貢太郎19
泉鏡花15
夢野久作9
“睡:ねむ”を含む作品のジャンル比率
文学 > 中国文学 > 小説 物語12.3%
文学 > 日本文学 > 小説 物語5.0%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)4.2%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
玉太郎はすっかり疲れきって、たき火のそばに、しゅろのむしろ寝床ねどこにして、ぐっすりとねむっているのだった。
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
——安心したのか、それとも活動に疲れたのか、例の勇士をはじめ、車中の人たちは、枕をならべて深いねむりにおちていった。
空襲警報 (新字新仮名) / 海野十三(著)
道夫 ああっ、ああーっ。今日はねむいなあ、お母さん、今日は体操の時間にうんと駈足かけあしをしたんで、睡いんですよ。
新学期行進曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
とろ/\とねむつてめれば、いぬてぺろ/\とめてる……胴中どうなかへび
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
君等きみらが出て往った後で、蚊帳へ入って、少しねむって、今度眼を覚まして枕頭を見ると、蚊帳の外に女が坐っていた」
女の姿 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
あき野分のわけしば/\して、ねむられぬながの、あささむく——インキのかほり
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
けれども、礼之進が今、外へ出たと見ると同時に、明かにその両眼をみひらいた瞳には、一点もねむそうなくもりが無い。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
毎日毎日、かすかなかゆすすって暮らさねばならなかったので、私はだんだん精魂が尽きて食後は無性にねむくなった。
廃墟から (新字新仮名) / 原民喜(著)
片田舎の魯鎮ろちんはまだなかなか昔風で、どこでも大概七時前に門を閉めて寝るのだが、夜の夜中にねむらぬ家が二軒あった。
明日 (新字新仮名) / 魯迅(著)
彼はずっと仲密ちゅうみつ君の屋敷の中に住んでいたが、この時一家の人は皆ねむっていたので、天下は至極安静であった。
鴨の喜劇 (新字新仮名) / 魯迅(著)
翌晩になってまた児が便所に起きたので、後妻はねむがる夫を無理に起して児を抱かしじぶんは後からいて往った。
前妻の怪異 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
妻室はその友人も女も知らないので、なんの興味もないと云うような生返事をしていたが、何時いつの間にかねむってしまった。
妖影 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
銀河の、かたちもなく音もない水にかこまれて、ほんとうにその黒い測候所が、ねむっているように、しずかによこたわったのです。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
蟹の子供らは、あんまり月が明るく水がきれいなのでねむらないで外に出て、しばらくだまつて泡をはいて天井の方を見てゐました。
やまなし (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
九十九里の波の遠音は、こういう静かな夜にも、どうーどうーどうーどうーと多くの人のねむりをゆすりつつ鳴るのである。
春の潮 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
手をこまねき、頭を垂れ、眼を閉じてねむれるが如く、遂にこの名講義の一言半句をも筆記せずして講堂を辞し去った。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
その気持ちを代表したねむそうな薄笑いがそうした場合の女性の鼻の表現にのぼってはいまいかと想像し得る位の事であります。
鼻の表現 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
Mは舌がこわばって事情を話すこともできないので、そのままじぶんの部屋へ往って寝たが、ねむれるはずがない。
死体を喫う学生 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
昨日さくじつは、あまり口惜くやしゅうございましたから、ねむらず工夫くふうしました、今日はそう負けはいたしません」
竈の中の顔 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
蟹の子供らは、あんまり月が明るく水がきれいなのでねむらないで外に出て、しばらくだまって泡をはいて天上の方を見ていました。
やまなし (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
女房がまた体を揺るので、主翁はしかたなしに起きて、蒲団ふとんの上にしゃがみ、ねむい眼をしょぼしょぼさした。
黄灯 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
そう事が極ると、二昼夜にわたる不眠が、彼を恐しい熟睡に誘った。翌日の昼頃まで、彼は何も知らないで、泥の様にねむった。
灰神楽 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「ケンタウルつゆをふらせ。」いきなりいままでねむっていたジョバンニのとなりの男の子が向うの窓を見ながら叫んでいました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
一方警察医の意見によると、院長の死は午前四時頃と推定され、その時刻には家人はまだねむっていて、物音なぞは聞かなかったこと。
三狂人 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
それを利用したんだ、君ね、一定の単調な音を聞いているとねむくなるような経験はないかい……、それさ、それと同時に
睡魔 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
ねむくなった。睡くてどうにもやり切れなくなった。ポチがしずかなのも、ポチも睡くなって睡っているのかもしれない。
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
たかくない、ほほほ、ちょっとつまんでやろうかしら、なんと思って上から顔をると、ねむっていたんじゃないんです。
内には老人夫婦がこっちの方へ頭をやって寝ていたが、二人ともまだねむらないで、老人は腹這はらばいになって新聞を読んでいた。
女の怪異 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
この室のドアを開くまでは、私は老婦人ひとりが、静かに寝台ベッドの上にねむっていることと思っていました。
崩れる鬼影 (新字新仮名) / 海野十三(著)
前の晩二回も空襲警報が出、何事もなかったので、夜明前には服を全部脱いで、久し振りに寝間着に着替えてねむった。
夏の花 (新字新仮名) / 原民喜(著)
そして、その夜床にはいつて、ねむりにつくまでの静かな一ときを、今日一日のことを始めから思ひかへして、たのしかつたのであつた。
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
曠野は月光で光っている。ドン河の水は銀箔のように白く鮮かに輝いている。哥薩克の部落は既にねむって燈火一つ見えようともしない。
死の復讐 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
日影ひかげうらうらとかすみてあさつゆはなびらにおもく、かぜもがな蝴蝶こてふねむましたきほど
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ねむつてゐるところをやられたのと、曲者もあわてた樣子で、まぶたを突かれましたが、玉は無事だつたさうで」
ひとの庭内に忍び入りたるものがかくまで平気にねむられるものかと、吾輩はひそかにその大胆なる度胸に驚かざるを得なかった。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
私はなんだか身体中がムズムズするほど嬉しくなって、寝台しんだいについたけれど、一向ねむれそうもなかった。
疑問の金塊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
疲れた人のような五月の空は、時どきに薄く眼をあいて夏らしい光りを微かに洩らすかと思うと、又すぐにねむそうにどんよりと暗くなる。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「さうしてねむつておいで。布団をたくさんかけてあげるから。さうすれば凍えないんだよ。あしたの朝までカリメラの夢を見ておいで。」
水仙月の四日 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
道夫は、寝台の中によくねむっていたが、突然胸苦しさを感じて目がさめた。すると枕許に誰か立っているのだった。
四次元漂流 (新字新仮名) / 海野十三(著)
無邪気に娘はよくねむっていたが、源氏がこの室へ寄って来て、衣服の持つ薫物たきものの香が流れてきた時に気づいて女は顔を上げた。
源氏物語:03 空蝉 (新字新仮名) / 紫式部(著)
彼女の深いねむりを見つめていると、その睡りが心をとろかすように、彼女からコスモに移って来るように思われた。
——何故と云うと、この紳士は大森を出てから、つがいの蝙蝠が鎌倉で、赤い翼をして下りた時まで、眠り続けてねむっていました。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
隅の床几しょうぎの上に寝ていた本人は、まだその話のたけなわな頃には、深くねむっていたので倖せだった。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ルルはひとりおき上りまして、泣き疲れてスヤスヤねむっている妹の頬にソッと接吻をして、うちを出ました。
ルルとミミ (新字新仮名) / 夢野久作とだけん(著)
私は、いいたいだけ言わしておいて、借りて来たねこのように敷布団の外に身を縮めてそのままねむりこけた。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
ぐったりと頭と肩は石のように無感覚になっていて、彼のねむっている斜横の方角に、庭の酸漿の実が見えてくる。
苦しく美しき夏 (新字新仮名) / 原民喜(著)
彼はゆうべ碌々にねむらなかったらしく、あかくうるんだ眼の奥に疲れたひとみばかりが鋭く光っていた。
半七捕物帳:02 石灯籠 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
夫婦の心はやや慰められたが、ただ子供はぼんやりしていて、かすかな息をしてねむろう睡ろうとするふうをした。
促織 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
彼がいかる時はわにのごとく、った時は河童かっぱのごとく、しかしてねむった時は仏顔ほとけがおであったかも知れぬ。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
喰い溜めはねむりだめとともに、以前は壮年の男の長所の一にかぞえられ、或いは努力修養すべき美徳とさえ考えられていたようである。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
念じるように見まもっていると、よいあんばいに、牛若はすやすやねむった。光厳は、自分の声に気をつけながら、
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「伊東さんの便所から帰ったのは知っています。然しその間の時間は三分のものやら三十分のものやら、一ねむりしたらしいので判りません」
(新字新仮名) / 楠田匡介(著)
ゴーシュはしばらくあきれたように外を見ていましたが、そのままたおれるようにへやのすみへころがってねむってしまいました。
セロ弾きのゴーシュ (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
蠅のやつも、恐らく伸び伸びと、このうららかな部屋に逆様さかさまになってねむっていることであろう。
(新字新仮名) / 海野十三(著)
後夜ごやの鐘の鳴る頃だな。幸福な人達の熟睡時うまいどきだ。……お前どうだな、ねむくはないかな!」
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
『僧護経』にいわく竜もえらいが、生まるる、死ぬる、婬する、いかる、ねむる、五時いつつのときに必ず竜身を現じて隠す能わず。
「——、おい誠子まさこ、さっきの茶に混ぜといた薬がやっと効いて来たようだぜ、二人ともぐっすりといい気持にねむってる、ふっふふふ」
火星の魔術師 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
日本のを見ぬが熱地の諸猴を親しく見しに、猴ほど夜眼の弱いものはなく、日が暮れれば膝を立てて坐し、頭を膝に押し付け手で抱えてねむる。
跡仕舞あとじまいをしているお竹がねむたそうな声でお帰ンなさいと言ったが、お糸さんの姿は見えなかった。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
もちろん目がえて、ねむれなかった。解き難い謎が、ともえまんじになって道夫の頭の中を回転する。
四次元漂流 (新字新仮名) / 海野十三(著)
今日も会社へ行くのかと思うとねむくなり、うとうとすると警戒警報がなりひびき、起き上りゲートルをまき煙草を一本ぬきだして火をつける。
白痴 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
「いるかお魚でしょうか」女の子がカムパネルラにはなしかけました。男の子はぐったりつかれたようにせきにもたれてねむっていました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
折角せっかく鳥に生れて来ても、ただ腹がいた、取って食う、ねむくなった、巣に入るではなんの所詮しょせんもないことじゃぞよ。
二十六夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「私、気をつけて居たつもりだつたけれど。……あなた、きつと目をあけたままでねむつていらつしやるのね?」
物は言わず、ねむるがごとく頷くと、足で足を押動かし、寝ン寝子広き芭蕉の影は、葉がくれに破れて失せた。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
順一が事務室に現れたのは、朝のも大分高くなっていた頃であったが、ここにも茫とした顔つきのねむそうな人々ばかりと出逢であった。
壊滅の序曲 (新字新仮名) / 原民喜(著)
艀舟はしけ一艘いっそう、波間に揺れていて、その上でさもねむたそうに小さな灯が一つ明滅していた。
もう声が出ない、またもやしきりにはげしく血を吐いたがついにそのままねむるが如くに息は絶えた。
二面の箏 (新字新仮名) / 鈴木鼓村(著)
ナオミは毎朝十一時過ぎまで、起きるでもなくねむるでもなく、寝床の中でうつらうつらと、煙草たばこを吸ったり新聞を読んだりしています。
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
つやつや光るりゅうひげのいちめん生えた少しのなだらに来たとき諒安はからだをげるようにしてとろとろねむってしまいました。
マグノリアの木 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
かしの実のおびただしこぼれて、片側かたわきに下水を流せる細路ほそみちを鶏の遊び、犬のねむれるなど見るもいぶせきに
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
そこには、浮腫ふしゅでもあるのかねむたそうな目をした、五十がらみのずんぐりとした男が立っている。
人外魔境:03 天母峰 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
と聞いた。この時、ねむっていない人が一人でもあるとすれば、これは、私はじめ待構えたといだった。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ゆるくゆるくゆるんで行くねむまぶたのすぐまのあたりをすご稲妻いなずまがさッと流れた。
鎮魂歌 (新字新仮名) / 原民喜(著)
「そうしてねむっておいで。布団ふとんをたくさんかけてあげるから。そうすれば凍えないんだよ。あしたの朝までカリメラの夢を見ておいで。」
水仙月の四日 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「こいつあよっぽど参っているのだな。昼寝られなくて、夜眠られなくて、それじゃあいつねむるのだ。おめえは、ねむるのが恐ろしいのだろう?」
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
するとお父さんたちはお酒にっていてみんなぐうぐうねむっていていくら起しても起きませんでした。
蛙のゴム靴 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
枕元に坐ってさしのぞきますと、ただ静かにねむっているようですが、もうこの世の人ではありません。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
襟うらにあかいのがちらりと覗いて、よりかかったさまに頬杖して半ばねむるようにしていました。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ねむらせぬ見張 をして居るので、また看護の婦人の外に睡らないように特に見張人を付けて居るのもある。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
私の耳には、すうすうと引くねむいような呼吸が聞え、私の眼には、そのあごの下でピクピクしている頸動脈けいどうみゃくが見えています。
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
彼は次ぎの部屋で、すやすや明け方の快いねむりを眠っている幼い子供たちのことで、胸が一杯であった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
仔猫が満腹して、椅子の上でねむりだしたとき、ぼくはモルフィネを注射して、完全に睡らせてしまった。
ふしぎ国探検 (新字新仮名) / 海野十三(著)
その家の下女げじょ行逢ゆきあいて近状を聞き、(万感万嘆この夜ねむることかたし)と書いたのは
樋口一葉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
「どなたですか今頃いまごろ戸をお叩きなさるのは?」と、爺さんはねむい眼をこすり/\申しました。
竜宮の犬 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
この日さのみ歩みしというにはあらねど、暑かりしこととていたく疲れたるに、腹さえいささか痛む心地ここちすれば、酒も得飲までねむりにつく。
知々夫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
何度も寝返りを打ち、何度も深い溜息ためいきをつき、からだをちぢめ、また伸ばそうとこころみたが、ねむりはもう穏やかにはやって来なかった。
野に臥す者 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
ねむっている中に不可思議な夢を感ずるように、倦怠と懶惰の生を神秘と歓喜の生に変えたいのである。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
脚を重ねて椅子いすに座す。ポケットより新聞と老眼鏡とを取り出し殊更ことさらに顔をしかめつつこれを読む。しきりにゲップす。やがてねむる。
饑餓陣営:一幕 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
希臘ギリシャ型のを授かった人はねむっている間も希臘型というのが原則として認められております。
鼻の表現 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
するとお父さんたちはお酒に酔ってゐてみんなぐうぐうねむってゐていくら起しても起きませんでした。
蛙のゴム靴 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
するとそこにはルラがへるがつかれてまっ青になって腕を胸に組んで座ったまゝねむってゐました。
蛙のゴム靴 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
いつかみんなねむってゐたのだ。河本さんだけ起きてゐる。冷たい水をわたってゐる。変に青く堅さうなからだをはだかになって体操をやってゐる。
秋田街道 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
「ケンタウルつゆをふらせ」いきなりいままでねむっていたジョバンニのとなりの男の子がこうのまどを見ながらさけんでいました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
高時は機嫌よく立上って、「習おうとも、習おうとも」といって、天狗どもに引廻され、不思議な挙動をさんざん繰返した後に、疲れ果ててねむります。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
それは夏のことで、嘉市はすこし体が悪いので寝ていたが、何時いつの間にかねむっているととなりへやでうんうんとうなる声がした。
参宮がえり (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
日向南部の米良山めらやまの中にも、入って働いている女の不時にねむくなるというところがあった。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
儀十 静まれ。(茂兵衛に)どこの何者か知らねえが、邪魔するな、退け。この家のイカサマ師の仲間だというなら、次手にねむらせてやってもいいぞ。
一本刀土俵入 二幕五場 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
遅々たる春の日、妙に生暖かさがねむりを誘って、が西に廻ると、義理にも我慢の出来なくなるような薄霞うすがすんだ空合そらあいでした。
三郎は、その当座、例の目覚し時計のことが、何となく気になって、夜もおちおちねむれないのでした。
屋根裏の散歩者 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)