ねふ)” の例文
さあ其事そのこと御座ござんすとて、ねふめたる懷中ふところまちがくすりくすりと嘩泣むづかるを、おゝと、ゆすぶつて言葉ことばえぬ。
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
きみよりも十つうに一返事へんじあたへ給へ、ねふりがたきあきむねいだいてまぼろしの面影おもかげをもんと、このやうの數〻かず/\らべてをとこなきになみだのこぼれるに、ふり仰向あほのてはんけちにかほぬぐふさま
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
寢間ねま時計とけいの十二をつまで奧方おくがたはいかにするともねふことくていくたびがへりすこしはかん氣味きみにもなれば、らぬ浮世うきよのさま/″\より、旦那樣だんなさま去歳こぞ今頃いまごろ紅葉舘こうえうくわんにひたとかよひつめて
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)