相貌さうばう)” の例文
拜するに目とほゝの間に凶相きようさうあらはれ中々以て高貴かうき相貌さうばうにあらず拙者の勘考かんかうには御證據の品は實ならんが御當人ごたうにん贋者にせものなりと決したり依て天下の爲再吟味を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
旅の疲れも拔け切らない平次は、事件の相貌さうばうの重大さに鼓舞こぶされて、もう獵犬のやうに張り切つて居ります。
とくと拜見候處御面相ごめんさう甚だよろしからず第一に目とほゝとのあひだ凶相きようさう現はる是は存外の謀計はかりごとくはだつる相にてまた眼中がんちう殺伐さつばつの氣あり是は人をがいしたる相貌さうばうなり且眼中に赤きすぢありて此筋このすぢひとみ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
きこめされ限りなき御祝着ごしうちやくにて片時へんじも早く逢度あひたくとの上意なりし御親子の御間柄あひだがらまた別段べつだんの御事なり扨も大岡越前守殿には數寄屋橋の御役宅へ歸りひとり熟々つら/\勘考かんかうあるに天一坊の相貌さうばう不審ふしん千萬なりと思はるれば翌朝よくてう未明みめい伊豆殿御役宅へ參られ御あひ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)