つけ)” の例文
アンペラをつけた馬が、尾をバサリと振るたびに、灰神楽はいかぐらをあげたように、黒いのが舞いあがる、この茶屋は車宿をしているが、蚕もやるらしく、桑の葉が座敷一杯に散らかって、店頭には駄菓子
谷より峰へ峰より谷へ (新字新仮名) / 小島烏水(著)
僕らはしばし休んで合羽かっぱを身につけはじめた。その時はるか向うの峠を人が一人のぼって行くのが見える。やはり此方こっちの道は今でも通る者がいるらしいなどと話合いながら息を切らし切らし上って行った。
遍路 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)