“いちゞ”の漢字の書き方と例文
語句割合
100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
尤も其日は大変ない天気で、広い芝生のうへにフロツクで立つてゐると、もうなつたといふ感じが、かたから脊中せなかへ掛けていちゞるしくおこつた位、そら真蒼まつさをとほつてゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
抑も辻行灯つじあんどうすたれて電気灯でんきとう光明くわうみやう赫灼かくしやくとして闇夜やみよなき明治めいぢ小説せうせつ社会しやくわいに於ける影響えいきやう如何いかん。『戯作げさく』と云へる襤褸ぼろぎ『文学ぶんがく』といふかむりけしだけにても其効果かうくわいちゞるしくだいなるはらる。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
手水鉢のかげえた秋海棠の葉がいちゞるしく大きくなつた。梅雨つゆは漸く晴れて、昼はくもみねの世界となつた。強いは大きなそらとほす程焼いて、そら一杯の熱を地上に射り付ける天気となつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)