“なづ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ナヅ
語句割合
60.7%
名付5.6%
5.6%
5.6%
命名4.5%
3.4%
2.2%
2.2%
2.2%
1.1%
名附1.1%
1.1%
浸漬1.1%
1.1%
1.1%
馴付1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
売櫛家くしをうるいへ多し。土人説に上古此地に大なる樟木くすのきあり。神功皇后の三韓を征する時艨艟四十八艘を一木にて造れり。因て船木となづく。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
明治芸人鑑めいぢげいにんかがみ」と題して俳優音曲おんぎよく落語家の人名を等級別に書分かきわけたもの、又は、「新橋芸妓評判記しんばしげいしやひやうばんき」「東京粋書とうきやうすゐしよ」「新橋花譜しんばしくわふ」なぞ名付なづけた小冊子もある。
虫干 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
遡っていうが、私が東京へ転任した翌年に次男を挙げて、惟行となづけた。十九年には三女を挙げてらくと命けた。
鳴雪自叙伝 (新字新仮名) / 内藤鳴雪(著)
されども世俗の見解けんげには堕ちぬ心の明鏡に照らして彼れ此れ共に愛し、表面うはべの美醜に露なづまれざる上人の却つて何れをとも昨日までは択びかねられしが
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
吉良が命名なづけまして親抱きの松と呼んでおります。
元禄十三年 (新字新仮名) / 林不忘(著)
身請して女房にょうぼとなし松山のいえを立てさせくれと今際いまわの頼み其の場はのがれ去り其のきん五百円にてお久を身受致みうけいたし夫婦と相成候それ故に苗字をとって松山園となづけ居りしが昨夜親子の困難を
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
五つのときからあまへたのでおしな卯平うへいなづいてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
『開元天宝遺事』に商山の隠士高太素、一時ごとに一猿ありて庭前にいた鞠躬きっきゅうしてく、なづけて報時猿とすと、時計の役を欠かさず勤めた重宝な猿松だ。
かれその伊耶那美の命になづけて黄泉津よもつ大神といふ。またその追ひきしをもちて、道敷ちしきの大神二一ともいへり。またその黄泉よみの坂にさはれる石は、道反ちかへしの大神ともいひ、へます黄泉戸よみどの大神ともいふ。
わが愛するはなづさはる温柔をんにうの黒き眼にして
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
そは屡々萬物になづさはれ
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
主上叡感えいかん有りて「たぐひありとたれかはいはむすゑにほふ秋より後のしら菊の花」と申す古歌の心にて、白菊と名附なづけさせたもうよし承り候。
興津弥五右衛門の遺書 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
急に向うから私になづいてくるように、その少女たちも、その名前を私が知りさえすれば、向うから進んで、私に近づいて来たがりでもするかのように。
麦藁帽子 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
振れ立つ 浸漬なづの木の、さやさや。 (歌謠番號七五)
諸々もろもろの子等は火宅ひのいへの内に嬉戯きぎに楽みなづみて、覚らず、知らず、驚かず、怖れず。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
むすんだこと故、途中で求めた品でござるが、この杜鵑とけんなづけた一管を、お誓いのしるしがわりに、お持ちくださるまいか
篝火の女 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一般の者が「……これやよも、ただ事の御祈願ではあるまいぞ、内々、南都なんと叡山えいざんへお手を廻して、お味方に馴付なづけんとする御心みこころでもあろうや?」
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)