なづ)” の例文
逍遙子は非なりとなしてこれになづまず。是を以て衆理想の敵となることなし。衆理想は即ち差別相にして、沒却理想は即ち唯一相、平等相なりと。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
されども世俗の見解けんげには堕ちぬ心の明鏡に照らして彼れ此れ共に愛し、表面うはべの美醜に露なづまれざる上人の却つて何れをとも昨日までは択びかねられしが
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
或る宗教のフオームかゝはり、或る道義のシステムなづみて人生を批判するは、詩人の忌むべき事なり。
情熱 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
見付られたりと云ひ只今富が申立になづみてたゞ寢て居た處などと云ひまぎらせし段重々ぢう/\不屆至極なり假令此上如何樣にちんずる共決して申譯は相立ずと天眼通てんがんつうの一言に流石の長庵いやそれはと云たばかりで答へもなく差俯向さしうつむいて居たりしかば大岡殿長庵を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
花にはなづむ知恩院
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)