“泥塗”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
どろまみ45.5%
どろま18.2%
どろまみれ18.2%
だみ9.1%
どろまぶれ9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
晴れた日には庭一面におしめやシャツのような物を干す、軒下には缶詰の殻やら横緒の切れた泥塗どろまみれの女下駄などがころがっている。
イタリア人 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
ポカンの足下に横たわるポカンの脳髄と同様に、泥塗どろまみれになってしまわねばならぬ時機が来たのだ。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
次に七十二三の老婆、世に消残るかしらの雪の泥塗どろまみれにならんとするまで、いたく腰の曲りたるは、杖のたけの一尺なるにて知れかし。うがごとくに、よぼよぼ。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
路が一条ひとすじ胡粉ごふん泥塗だみたように、ずっと白く、寂然しんとして、ならび、三町ばかり、手前どもとおなじかわです、けれども、何だか遠く離れた海際まで、突抜けになったようで
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
木綿袷もめんあわせ條柄しまがらも分かぬまでに着古したるを後褰しりからげにして、継々つぎつぎ股引ももひき泥塗どろまぶれ脚絆きゃはん煮染にしめたるばかりの風呂敷包ふろしきづつみを斜めに背負い、手馴てならしたる白櫧しらかしの杖と一蓋いっかい菅笠すげがさとをひざの辺りに引寄せつ。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)