“泥亀”のいろいろな読み方と例文
旧字:泥龜
読み方割合
すっぽん56.3%
どろがめ18.8%
すつぽん12.5%
スッポン6.3%
テラピン6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、指令をいうような沈痛な語気の折竹に、ロイスもカムポスも唖然あぜんとなってしまった。泥亀すっぽんでさえ、精々十尺とはもぐれまい。
人外魔境:05 水棲人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
石段を登り切ったところで、哀れな乞食は、おかの上へあがった泥亀どろがめのように、臆病らしく四下あたりを見廻していたが、するうちまた這い歩きはじめた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
騙詐かたり世渡よわた上手じやうず正直しやうぢき無気力漢いくぢなし無法むはう活溌くわつぱつ謹直きんちよく愚図ぐづ泥亀すつぽんてんとんびふちをどる、さりとは不思議ふしぎづくめのなかぞかし。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
そうして間もなく、この“Nord-Malekulaノルド・マレクラ”を三人が出ていった。果実や泥亀スッポンの乾肉をしこたまこしらえて、また、独木舟プラウーにのり大洋中にでたのだ。しかし、今度は目的地もない。
「太平洋漏水孔」漂流記 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
人糞を、このんで食う泥亀テラピンをとっては、この数日間二人は腹をみたしていた。しかし彼には、この沼をわたる方法がない。
「太平洋漏水孔」漂流記 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)