名付なづ)” の例文
ところで光線と名付なづけられるものは、この紫から赤までだけではない。紫よりももっと波長の短い波があって、これを紫外線しがいせんとよんでいる。
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
明治芸人鑑めいぢげいにんかがみ」と題して俳優音曲おんぎよく落語家の人名を等級別に書分かきわけたもの、又は、「新橋芸妓評判記しんばしげいしやひやうばんき」「東京粋書とうきやうすゐしよ」「新橋花譜しんばしくわふ」なぞ名付なづけた小冊子もある。
虫干 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
一を business と名付なづけて、もちろん自由業は高尚こうしょうなものとなし、これに従事している者には社会も相応の尊敬そんけいを払って、あるいは官吏かんりあるいは弁護士、教育家
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
無骨ぶこつぺん律義りつぎをとこわすれての介抱かいほうひとにあやしく、しのびやかのさゝややが無沙汰ぶさたるぞかし、かくれのかたの六でうをばひと奧樣おくさましやく部屋べや名付なづけて、亂行らんげうあさましきやうにとりなせば
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
いけ名付なづけるほどではないが、一坪余つぼあまりの自然しぜん水溜みずたまりに、十ぴきばかりの緋鯉ひごいかぞえられるそのこいおおって、なかばはなりかけたはぎのうねりが、一叢ひとむらぐっと大手おおてひろげたえださきから
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)