“なず”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
59.5%
18.9%
馴染5.4%
5.4%
2.7%
2.7%
2.7%
2.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
されど蕪村の句その影響を受けしとも見えざるは、音調になずみて清新なる趣味を欠ける和歌の到底俳句を利するに足らざりしや必せり。
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
威を畏れ徳になずき、静を買い安を求めざるなし、高麗命をふせぎ、天討再び加う。伝世百一朝にして殄滅す。に逆天の咎徴、衝大の明鑒に非ずや。
岷山の隠士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「二三度こわしちゃ結い、壊しちゃ結いしないといけないのよ。毛が馴染なずまなくって」
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
また、この頃から再び江戸文芸にあらためてなずみはじめた。それも、秋成や西鶴などの高踏的なものより、鯉丈りじょうの八笑人のような作品の人物に、より多くの親しみを感じていた。
数年ののち、いずこにも籍を置かぬ一そうの冒険船が、滝太郎を乗せて、拓お兼が乗組んで、大洋の波にうかんだ時は、必ずこの黒百合をもって船になずけるのであろう。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
驍勇走りて奔馬に及ぶ、かくのごとく漸くなずむ、人皆竜種云々〉。
... かれ頃日このごろはわれなずみて、いと忠実まめやかかしずけば、そを無残に殺さんこと、情も知らぬ無神狗やまいぬなら知らず、かりにも義を知るわがともがらの、すに忍びぬ処ならずや」「まことに御身がいふ如く、 ...
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
かくてぞ漸くに暮れ行く空の、コバルトの色なずみて、やがて暗く、かは誰の人顔も定かならぬ折柄、椽近く座を占めて仰ぐ軒端に、さり気ない釣忍の振舞いもなかなかに悪からず、眺め深いものだ。
残されたる江戸 (新字新仮名) / 柴田流星(著)